老後に2000万円必要って本当なの?私たちの老後の「リアル」

2021/02/09
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“老後2,000万円問題”ってどういうこと?

 一昨年、いわゆる“老後2,000万円問題”が大きな話題になりましたね。老後までに2,000万円が必要と聞いて、皆さんはどのように感じますか? 「大げさに言っているだけで、実際はそんなに必要ないのでは」と思っている人もいれば、「2,000万円で本当に足りるのか不安」と思っている人もいるかもしれません。

 ズバリ結論から言うと、老後までに2,000万円はやっぱり必要、だと私は思います。退職金が充実していたり、老後は田舎で自給自足生活をすると固く心に決めていたりする人は別かもしれませんが、それ以外の多くの人は、老後までに2,000万円の貯蓄がやっぱり必要です。

まずご覧いただきたいのは、総務省が発表している、今すでに老後生活を送っている方々の家計の平均です。

総務省・家計調査2019年 高齢無職世帯の1ヵ月の収入と支出の平均(夫婦世帯)

「消費支出」の239,947円がいわゆる生活費、「非消費支出」の30,982円は税金などです。これらの合計から「社会保障給付」、つまり年金収入の216,910円やその他の収入を差し引いた「不足分」が、毎月33,269円。要するに、毎月これだけの貯蓄を取り崩しながら生活をしているという実態が浮かび上がってきます。

 一方、日本は世界に誇る長寿大国です。2019年の平均寿命は男性81.41歳、女性87.45歳。女性はすでに平均でも人生90年が当たり前、ということですね。毎月約34,000円ずつ貯蓄を取り崩す生活が、90歳まで25年間続くとすると、それだけで1,020万円が必要です。

考えなければならない5つの“変動要素”

1.住居費は老後にいくらかかる?
2.突発的な出費をどのくらい想定する? 
3.公的年金は今と同じ金額受け取れる? 
4.その頃には平均寿命がさらに伸びている? 
5.24万円の生活費でゆとりある老後は送れる?

では、ひとつずつ見ていきましょう。

1.住居費は老後にいくらかかる?
  人生の三大出費のひとつである、住居費。これが老後にどのくらいかかりそうなのかを自分の場合に当てはめて考える必要があります。

  もう一度先ほどのデータを見てください。「住居」は5.7%となっています。生活費239,947円の5.7%ということは……
  電卓を叩いてみると13,677円。現実的に考えて、実家住まいや、住宅ローン完済後の持ち家でないと収まらなさそうです。

  では仮に老後も毎月80,000円の家賃を支払い続けなければならないとすると、65~90歳までの25年間で必要なお金は2,400万(! )。
  なんとこれだけで2,000万円をゆうに超えてしまうことに。住居費とどう付き合うかは、人生とお金を考えるうえでとても大きなトピックです。
  これについては次回、一緒に考えていきたいと思います。

2.突発的な出費をどのくらい想定する?
  ひとくちに生活費と言っても、毎月かかるものもあれば、毎年定期的にかかるもの、突発的にかかるものなど色々あります。

  車を持っていれば、決まった時期に車検代や自動車税がかかりますし、車をぶつけてしまうと修理代もかかってきます。
  持ち家であれば毎年固定資産税がかかります  し、長い老後の間には水回りを新しくしたり、バリアフリーにしたりといったリフォームが
  必要になってくるかもしれません。

  親戚や知人の子どもが結婚すればご祝儀が必要ですし、香典を渡す機会も年々増えてきそうです。こうした突発的な出費にも備えておく必要が
  あります。そして老後とは切っても切り離せない、病気や介護にかかる費用も想定しておかなければなりません。

3.公的年金は今と同じ金額受け取れる?
  繰り返しになりますが、このデータは「今すでに老後生活を送っている方々」の「平均」です。年金逃げ切り世代とも言われる今の老後世代と、
  少子高齢社会に歯止めがかからない中で20~30年後に老後を迎える私たちの世代とで、受け取れる年金の金額が同じであるはずがないですよね。

  支給開始年齢もしかりです。現在は原則65歳から支給がスタートしますが、これを後ろ倒しにしようという政府の動きもあります。
  70歳、場合によっては75歳にならないと公的年金が受け取れないという可能性だってないとは言い切れないのです。

4.その頃には平均寿命がさらに伸びている?
  人生100年時代、という言葉を聞くようになりましたが、女性はすでに「平均」でも人生90年。ということは、20~30年後には人生100年が
  当たり前の時代が来ていてもおかしくありません。

  加えて、どれだけ長生きするかはわからないのが人生です。「平均」で見積もっていると、その年齢に近づくにつれ、貯蓄が底を尽きてくる
  ということに。
  想像するだけで怖いですよね。こうしたことを踏まえると、最低でも100歳、できればもっと長生きする可能性を考えたうえで備えておく
  必要があります。

5.24万円の生活費でゆとりある老後は送れる?
  そして、もっとも強くお伝えしたいのがこの5つ目。そもそも毎月24万円の生活費で、私たちが理想とするゆとりある老後が送れるの? 
  ということです。

  冷静に考えると、老後のゴールは「貯蓄が底を尽きずに最低限の生活ができる」ことではありませんよね。温泉に浸かったり、
  海外旅行に行ったり、美味しいものを食べたり、孫に会いに行ったり、たまにはおしゃれしたりと、やりたいことはたくさんあるはずです。

  ちょっと思い出してみてください。皆さんが普段通っているヘアサロンは、1回いくらかかりますか? カラーとカット、
  それにパーマをかけると1万円を超えるところもめずらしくないのでは。そんな今の生活水準を維持するためにも、老後にはお金のゆとりが
  必要です。


 大切なのは、2,000万円という金額をそのまま受け止めるのではなく、自分の思い描く老後にはいくらかかるのかを自分なりに数字で落とし
込んでみるということ。そして、案じるだけではなく、今できることから行動に移していく、ということなのです。"

引用元:Yahooニュース(2021.1.16)/老後に2000万円必要って本当なの?私たちの老後の「リアル」/URL

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